【まとめ|不動産査定書を見せるタイミングとは?】
不動産査定書を見せるタイミングとは、売主様の売却理由やご事情を伺い、査定価格を知りたいというお気持ちを確かめてから、価格の根拠とともにお伝えすることです。
面談の冒頭で査定書を広げると、売主様がまだ話せていない事情や不安を聞きそびれることがあります。査定書は商談の主役ではなく、売れる価格をご理解いただくための資料です。
まずはお話を丁寧に伺い、価格を尋ねられたときに役立てましょう。査定書を見せずに媒介契約へ進む場合も、査定価格は明確に伝え、売主様と認識を合わせておくことが大切です。
あなたは毎月、査定書を何通くらい作っていますか。
この質問を、凄まじい業績を上げているスーパー営業マンにぶつけると、こんな返事が返ってきます。
「査定書なんて作らなくても、受託は出来ますよ」
スーパー営業マンなら確かに、査定書を作らなくても受託は簡単だと思います。
スーパー営業マンは「アポイント→売却理由の把握→売れる価格の説明→売主納得→受託」のスピードが速く、一回の面談で受託してしまう方が殆どです。従って、「査定書なんて作らなくても、受託は出来ますよ」という台詞が出て来る訳ですね。
では、お尋ねします。あなたはスーパー営業マンですか?
もし、「スーパー営業マン…って程でも無いなぁ」と思われたなら、この後の文章を読んで下さい。
査定書の役割とは上記プロセスの中で申し上げると「売れる価格の説明→売主納得→受託」の部分に於いて営業マンの手助けをする事です。つまり、売却理由の把握が出来ていない時点で査定書を出してしまっては、商談がスムーズに進まなくなるのです。
しかし、普通以下の営業マンは売主と会ったらすぐに査定書を出してしまいます。ひょっとしたらあなたも、売主様と「はじめまして」の挨拶を済ませた後、スグに鞄から査定書を出していませんか?
何故、スグに査定書を見せてしまうと思いますか?
その答えは…「査定書を一生懸命作ったので、売主様に見て貰いたい」からだと私は思っています。
査定書1件作ろうとしても、事例の収集に始まり、査定価格の計算、販売手法の説明等々、割と時間がかかります。そのように努力して作成した査定書なら、見て貰いたくなるのも人情です。
しかし、これでは売主様の心には響きません。
何故、売主様の心に響かないかと申しますと、「価格を知りたい」という売主様の気持ちが高まり切っていないからです。
営業マンを目の前にした売主様は心の中で「この営業マンはウチの不動産をイクラで見積もって来たのかな?どうせ安く見積もって来たのだろう」と思っておられます(思っておられない売主様もいらっしゃいますが、営業マンとしてはこのように考えられていると仮定して提案に臨むべきです)。
売主様の気持ちがこのような状態の時に「どうだ!これが査定書だ!」と見せつけても、売主様の心は動きません。
査定書を出すタイミングは、売却理由のヒヤリングが終了し、売主様の方から「ところで、ウチの不動産はイクラで売れるの?」と「複数回」聞かれてからです。
売主様を焦らしに焦らし、「早く査定価格を知りたい」と思って頂けるまで、査定書には鞄の中で休んでいて貰って下さい。
そして、査定書を見せる事無く受託が出来れば、それこそ目標とすべき姿なのです。
査定書はあくまで「売れる価格の説明→売主納得→受託」のプロセスを補助してくれるものであり、「査定報告の主役」ではありません。
多くのスーパー営業マンは査定書を作らずにサクッと受託しますが、普通の営業マンであるあなたは「完璧な査定書を鞄の中で眠らせながら、それを見せる事無く受託する」事を目標にして下さいね。
【注1】上記の例は一般的な査定訪問時の心構えをお伝えするものです。一括査定サイトからの反響で連絡がつかない売主様に対しては、先ず査定書を送付しあなたの提案をご覧頂いて下さい。尚、売却理由が離婚の場合は、配偶者に相談していないケースもございますので、自宅への査定書郵送は控えて下さい。
【注2】査定書を見せずに受託する場合も、査定価格は売主様に伝えしっかりと認識して頂きましょう。査定価格の提示が無い場合及び、査定価格への認識が薄い場合は後程、値交渉や売り出し価格の値下げが困難になります。
――――――――――――――――――
株式会社レコ
不動産業専門コンサルタント
梶本幸治
本稿は、株式会社レコ 梶本幸治が不動産売買仲介の仕入れ営業・販売戦略などについて独自の思想と実務経験に基づき執筆した著作です。
――――――――――――――――――
本稿は、不動産・住宅関連業界向けの情報サイト「リビンMagazine Biz」に掲載された梶本のコラムを、必要に応じて改題・加筆修正のうえ再掲したものです。
再掲の経緯については、お知らせ欄の「リビンMagazine Biz(運営:リビン・テクノロジーズ株式会社様)掲載コラム再掲のお知らせ」をご覧ください。