※本稿は、株式会社レコ 梶本幸治(不動産業専門コンサルタント)による見解・著作です。
仕 入媒介・買取
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不動産仕入営業担当と売主様の商談における最適な発話割合とは?
- 不動産仕入れ営業と売主様の商談で重要なことはなんですか?
- 仕入れ営業の本質は、物件ではなく「人」と向き合うことにあります。売却理由とは、単なる事情ではなく、その方の人生の選択そのものです。その重みを理解せずして、どのような提案も成立しないと考えます。
- 不動産仕入れ営業にはトーク術、コミュニケーション能力、交渉スキルが大切ですか?
- 優れた営業とは、語る者ではなく「受け止める器」を持つ者です。言葉で動かすのではなく、沈黙の中から本音を引き出すことに価値があります。技術より姿勢こそが信頼を生む根源だと考えます
- 不動産仕入れ営業と売主様の商談における最適な発話割合はどれくらいですか?
- 営業が語るほどに、本質からは遠ざかります。主役は常に売主様であり、営業はその語りを支える黒子に徹するべきです。語らせるのではなく、語りたくなる場を設計することが使命だと考えます。
「売主様との面談で、どれくらい話せばよいのか分からない」
「仕入れの商談で沈黙が怖い」
「しゃべらないと仕入れ営業として物足りない気がする」
そんなお悩みを耳にすることが多いのですが、あなたはいかがでしょうか?
不動産営業のシーンを扱った映画やドラマ、コント、漫才などに登場する不動産営業担当者といえば、立て板に水とばかりに弁舌が流暢で、よどみなく話していることが多いですよね。むしろ、弁舌が流暢という爽やかな感じではなく、マシンガントークでお客様を押し切るような、少々強引なキャラクターとして描かれることが多いように思いませんか?
まぁ、世間が抱く不動産屋さんのイメージといえば、お話は上手だけど信用できない、という感じでしょうね。非常に残念ですが。
不動産営業担当者と売主様の商談における最適な話す割合が本稿のテーマですが、そもそも最適な発話割合なんか考えずに、しゃべってしゃべって、しゃべり倒してお客様をフラフラにして商談を進めている営業担当者を見かけます。
果たして、こうしたやり方は本当に正解なのでしょうか?
確かに「対買主様」「対購入希望者様」との商談時は、物件の説明や周辺環境の説明など、お客様に伝えなければならないことも多く、やや営業担当者サイドが多く話してしまうことになるかもしれません。買付や販売の営業では「モノを売る」という面が重要視されるため、話すことが多くなってしまうことも理解できます。
このように考えると、不動産営業の中でも建売販売営業や投資区分マンション販売の営業担当者に「弁舌が流暢でよどみなく話している」方が多いのもうなずけるところですね。
特に新築投資区分マンションの販売担当者の中には、「トークの天才、コミュ力の怪物、交渉の神様」みたいな方がたまにいらっしゃいますが、これを真似るのは並大抵ではございません。
では、並大抵ではないトーク術やコミュニケーション能力、交渉スキルがなければ不動産仕入れ業ができないのかと申しますと、決してそんなことはございません。
買付や販売の営業とは異なり、販売する対象物件がない仕入れ営業で重視すべきは、売主様の事情・要望・悩み・気持ちなどを把握することです。これらの事情・要望・悩み・お気持ちは「売却理由」と言い換えても良いでしょう。売主様との商談は、この売却理由のヒアリングがすべてです。
相場の説明も、価格の提案も、三種類の媒介契約の違いも、ハウスインスペクションの提案も、売却理由のヒアリングに比べれば優先順位はかなり低くなります。
売却理由のヒアリングが不十分で売主様のお気持ちに寄り添えなければ、どんな提案も営業担当者の自己満足にすぎないものになり、売主様の心を動かすことはできないでしょう。
それほど、不動産仕入れ営業と売主様の商談ではヒアリングが重要なのです。
ここで、不動産仕入れ営業と売主様の商談における最適な話す割合を具体的に考えて参ります。
一般的なヒアリング営業における発話割合は「営業が6割、お客様が4割」「営業が2割、お客様が8割」などさまざまな考え方があるようですが、私、株式会社レコの梶本幸治が考える不動産仕入れ営業と売主様の商談における目標とする発話割合は【営業が1割、売主様が9割】です。
【営業が1割、売主様が9割】なんて少し極端すぎないかと思われた方もあるでしょうが、ちょっとお聞きください。
確かに【営業が1割、売主様が9割】は少々極端です。しかし、最初にお話したように、不動産営業といえば立て板に水とばかりに弁舌が流暢で、よどみなく話すものと思い込んでいる方が多く、この思い込みは現場の営業担当者の中にも蔓延しています。
このように「しゃべりまくるのが営業だ」と思い込んでいる状態で、ヒアリングを重視するかたちに方針転換していただくとなると、【営業が1割、売主様が9割】というやや極端な目標を設定し、実際には【営業が2〜3割、売主様が7〜8割】程度に落ち着くことを目指すのが望ましいと考えております。
それでも【営業が3割、売主様が7割】が限界であり、それ以上はしゃべりすぎです。
不動産仕入れ営業と売主様の商談は、聞いて、聞いて、聞きまくってください。しゃべりまくる営業よりも簡単かつ、効果も出ます。
売主様の本音、つまり売却理由を聞き出せなければ、こちらの提案はたいてい独りよがりに終わります。そんな独りよがりな提案を真面目に聞いてくれるほど、世の中は甘くないですからね。
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不動産仕入れ営業における最適な発話割合
不動産仕入れ営業とは、物件を扱う業務ではなく、売主の意思決定の背景にある「売却理由」を深く理解し、その人生文脈に沿って最適な提案を構築する営みである。話術や交渉力に依存せず、ヒアリングを通じて本音を引き出し、信頼関係を基盤に合意形成を導くことに本質がある。営業は語る者ではなく、語らせる場を設計する存在である。
執筆・編集
株式会社レコ 不動産業専門コンサルタント 梶本幸治本稿は、株式会社レコ 梶本幸治が不動産売買仲介の仕入れ営業・販売戦略などについて独自の思想と実務経験に基づき執筆した著作です。