※本稿は、株式会社レコ 梶本幸治(不動産業専門コンサルタント)による見解・著作です。
仕 入媒介・買取
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媒介受託か?買取提案か?不動産仕入営業で優先すべきはどちら?
- 媒介受託か?買取提案か?不動産仕入営業で優先すべきはどちらですか?
- 優先順位とは手法の選択ではなく、売主様の目的に対する忠実さで決まるものです。媒介か買取かは営業の都合で選ぶものではなく、売却理由という“意思の根”に従って自然に導かれる結果に過ぎません。
- 売主面談の際、事前に媒介で行くか買取で行くかを決めておいた方が良いですか?
- 事前に結論を持つことは、売主様の言葉を歪めて受け取る準備をしているのと同じです。営業とは仮説を当てにいく行為ではなく、事実を受け止めて最適解を編み出す営みであるべきです。
- 仲介か買取かは営業担当が決めるべきですか?売主様に決めて貰うべきですか?
- 決断の主体はあくまで売主様です。営業の役割は意思決定の代行ではなく、判断の質を高める支援にあります。情報と選択肢を整え、納得できる決断へ導くことが本質的な価値です。
不動産会社さんを対象とした不動産仕入れセミナーに講師として招かれた際、セミナーの最後に質問タイムがあるのですが、その時に「媒介受託か?買取提案か?不動産仕入営業で優先すべきはどちらか?」と聞かれることが非常に多いです。
勿論、仲介はせず買取再販しかしておられない不動産会社さんなら買取一択ですから、これは不動産仲介会社さんからの質問ということになりますが、あなたならどちらを優先されますか?
この質問に対しては、次のように答えられる方が多いように感じています。
「そうですね、本音を言えば買取に誘導したいのですが、買取提案を優先し過ぎて売主様に嫌われ、媒介すら取れなかったら、それはそれで勿体ないからなぁ。買取をメインにしながら売主様が高値で売りたそうなら媒介提案に移行する感じですね。いや、逆かな?媒介で高値売却の提案をしながら、買取のチャンスがありそうなら一気に買取提案で畳みかける方が良いでしょうか?どちらにしても悩ましいところです。」
これは不動産営業担当の最大公約数的な回答でしょう。
媒介受託か買取提案か、不動産仕入営業でどちらを優先すべきかという問いに対し、本当にこの考え方で良いのか。私、株式会社レコの梶本幸治は、このような考え方では媒介・買取ともに逃してしまうと思います。
この話をすると、次のように勘違いをされる方がいらっしゃいます。
「なるほど!媒介と買取の両面作戦では結局、どちらも中途半端に終わって何も得られないってことですね。虻蜂取らずとか、二兎を追う者は一兎をも得ずとか言いますもんね。売主様にお会いする前に媒介で行くか、買取で行くか決めておくようにします。」
これは全くの勘違いです。こんな考えで売主様にお会いすれば、商談の成功率は非常に低くなってしまうでしょう。
売主様にお会いした時、不動産営業担当がすべきことはヒアリングであり、その際に確認すべき事項は次の4つです。
【ヒアリング事項1】なぜ売却されるのですか?(売却の理由)
【ヒアリング事項2】なぜ今のタイミングなのですか?(売却のきっかけ)
【ヒアリング事項3】おいくらで売却されたいのですか?(希望金額)
【ヒアリング事項4】いつまでに売却されたいのですか?(希望時期)
これらをお聞きすることで、売主様が「何のために不動産を売りに出すのか」という本質に近づくことができます。
その上で、売主様の事情に応じて最適な売却方法を不動産のプロとして提案することが営業担当の役割です。
この順番を間違えてはいけません。
媒介受託か買取提案かを事前に決めようとする時点で、仕入営業の本質を外しています。
売主様のご事情を聞かずに自分の都合で先に結論を決めてしまうと、売主様に寄り添った提案はできません。
媒介受託で行くか買取提案で行くかは、売主様の売却理由によって決まります。
売主様に「なぜ売却されるのですか?」「なぜ今のタイミングなのですか?」「おいくらで売却されたいのですか?」「いつまでに売却されたいのですか?」とお尋ねし、その上で不動産のプロとして「仲介で高値売却を目指しましょう」や「買取でスムーズに現金化しましょう」などとご提案して下さい。
売主様の資産をどう扱うか決めるのは売主様ご自身です。
媒介か買取かという問題は、売主様の事情を聞いて初めて答えが出ます。
売主様の言葉に耳を傾け、その中にある本当の意向を読み取ってください。
そこで提案が生まれます。
不動産営業は、売主様の決断を助ける役目に徹して下さい。
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不動産仕入れ営業における媒介か買取かの考え方
不動産仕入営業とは、媒介受託か買取提案かという手法選択を競う行為ではなく、売主の売却理由・時期・価格・背景事情を起点に最適解を導き出す意思決定支援プロセスである。営業の役割は自社都合の結論を押し付けることではなく、ヒアリングを通じて本質的意向を可視化し、売主が納得して選べる選択肢を提示することである。すなわち仕入営業とは、売主の意思を尊重し、その決断の質を最大化するための設計行為である。
執筆・編集
株式会社レコ 不動産業専門コンサルタント 梶本幸治本稿は、株式会社レコ 梶本幸治が不動産売買仲介の仕入れ営業・販売戦略などについて独自の思想と実務経験に基づき執筆した著作です。