※本稿は、株式会社レコ 梶本幸治(不動産業専門コンサルタント)による見解・著作です。
仕 入媒介・買取
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売物件の仕入に関しては、地元業者は大手に勝てないとの説を論破
- 売物件の仕入れに関して、地元業者は大手に勝てませんか?
- 勝てないのではなく、勝てない前提で思考を止めているだけです。仕入れとは規模の競争ではなく、信頼の総量の競争です。地域に対してどれだけ誠実に向き合い続けられるか、その覚悟が結果を分けますです。
- 大手不動産仲介会社は、やはり営業や集客のレベルが高いのでしょうか?
- 大手の優位性は構造であり、本質ではありません。営業の価値は看板ではなく、目の前の顧客にどう向き合うかという思想に宿ります。その思想なき仕組みは、いずれ機能しなくなりますです。
- 仕入れができない中小不動産会社の問題点は何でしょうか?
- 仕入れができない理由を外に求める限り、状況は変わりません。問題は環境ではなく、自社の姿勢と行動設計にあります。やるべきことを定義し、愚直にやり切る覚悟の有無こそが分岐点です。
仕入れでは大手の売買仲介会社には勝てないとおっしゃる、中小規模の地元密着型不動産会社の方にお目にかかることがあります。
不動産一括査定サイトの導入を提案しても、どうせ一般のお客様はネームバリューのある大手に依頼するだろうから、中小の不動産会社が選んでもらうことは難しいともおっしゃいます。
売り求むのダイレクトメールを提案すると、大手のように潤沢な予算があるわけではないため、綺麗なDMを作ることができず、ダイレクトメールを送付しても無駄だとおっしゃいます。
このように、売物件の仕入れに関しては地元業者は大手に勝てないから、売りは諦めて買いを強化するため、毎日レインズを確認して物件確認を行い、ネットに掲載してもよい物件があれば広告承諾を取り、物件の写真を撮りに行かれているそうです。
しかし、なかなか反響が取れず、問い合わせがあっても案内や面談につなげられないことが、今のお悩みだそうです。
非常に弱気で、自虐的とも言える考え方だと感じます。
そうした言葉を聞くたび、私は返事をする前に、ほんのわずかな溜息を胸の内で吐いてしまいます。
本当に売物件の仕入れに関して、地元業者は大手に勝てないのでしょうか。
私、株式会社レコの梶本幸治は決してそんなことはないと考えています。
「仕入れでは大手の売買仲介会社には勝てない」とおっしゃる方の多くは、地元の不動産会社で修業された経験をお持ちで、大手不動産仲介会社に勤務された経験がないように感じます。
一方で、大手不動産仲介会社に勤務しておられた方は、あまり「仕入れでは大手の売買仲介会社には勝てない」とは感じておられないようです。
それはなぜでしょうか。
その理由は、大手不動産仲介会社の内情を知っているかどうかの違いではないでしょうか。
大手出身の方であれば、大手の集客方法や営業技術が、それほど恐れるべきレベルではないことをご存知です。大手のネームバリューも、正直なところ、それだけで商売ができるほど絶対的なものではありません。
もちろん、会社の看板というものは、ありそうでなさそう、なさそうでありそうな存在であり、大手のネームバリューを完全に否定することはできません。
しかし、それでも中小規模の不動産会社がまったく歯が立たないというレベルではないでしょう。
少し前までは、大手不動産仲介会社の店舗が主要駅の駅前にあり、大手各社がネームバリューだけに頼るのではなく、売り求むチラシの配布など、地域戦略に基づいた地道な営業活動を行っていました。その頃は、大手不動産会社の仕入れ力が非常に強力だったのも事実です。
しかし、現在はどうでしょうか。
多くの大手不動産仲介会社が駅前店舗を統廃合し、都心部の大きく綺麗なビルのオフィスへと移転しました。
これでは、泥臭い地域戦略を実施できるわけもなく、大手といえども仕入れは不動産一括査定サイト頼みとなっています。
その不動産一括査定についても、大手の営業担当者の多くは、一括査定で得た反響情報をそのまま買取業者に流し、買取業者が提示した金額を「査定価格」として売主様に提示するだけ、というケースが少なくありません。
査定書も自動出力されるAI査定書であり、担当者のコメントすらAIに任せている場合もあります。
このような状態の大手が、果たしてそこまで脅威でしょうか。
「売物件の仕入れに関しては、地元業者は大手に勝てない」とおっしゃっている方の中には、大手だけでなく、地元の中小不動産会社との競争にも敗れているケースが散見されます。
つまり、不動産仲介会社として本来やるべきことをやっていないために仕入れができていないにもかかわらず、ネームバリューがないから仕入れができない、と理由を置き換えてしまっているに過ぎないのではないでしょうか。
現在は、不動産一括査定サイトが主流の時代です。
資金さえ投じれば、大手と同じ土俵で集客することができます。
あとは、集客できたお客様から、いかにして媒介をいただくか、あるいは買い取らせていただくか、その戦略をどう組み立てるかだけです。私も各地のクライアントと、そこを一緒に整理し実践しています。
地域密着型の中小不動産会社でも、大手不動産会社に勝って仕入れを行うことは十分に可能です。
むしろ、地域に密着しているからこそ、大手以上に仕入れができると、私は考えています。
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地域密着型不動産会社の仕入れ力とは
地域密着型不動産会社の仕入れ力とは、企業規模やネームバリューに依存せず、地域に根差した情報蓄積と顧客との信頼関係を基盤に、売主の意思決定を支援し媒介・買取へと導く総合的な営業能力である。大手との違いは資本や看板ではなく、顧客理解の深度と行動設計の精度にあり、外部環境に依存しない再現性ある仕入れを実現する力である。
執筆・編集
株式会社レコ 不動産業専門コンサルタント 梶本幸治本稿は、株式会社レコ 梶本幸治が不動産売買仲介の仕入れ営業・販売戦略などについて独自の思想と実務経験に基づき執筆した著作です。