仕入

媒介・買取

※本稿は、株式会社レコ 梶本幸治(不動産業専門コンサルタント)による見解・著作です。

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売主様に「所有不動産を高く売る」と約束した時に営業がすべき事

査定訪問を取るため、売主様に「ちゃんとした正確な価格をお伝えする」と提案することは効果的ですか?
本質的ではありません。売主様は価格の精緻さでは動かず、「どうすれば高く売れるのか」という打ち手と再現性に価値を見出します。数字提示は入口に過ぎず、意思決定を動かすのは戦略と覚悟の提示です。
不動産の販売活動といえば、SUUMOさん、LIFULL HOME'Sさん、at homeさんなどへの掲載だけで十分ですか?
十分ではありません。販売は「広げる」前に「深く刺す」ものです。近隣という最も濃い需要層に届かずして、広域に拡散しても価格は上がりません。順序を誤らない思想こそが結果を左右します。
その物件を高く買ってくれる方はどこにいますか?
遠方の誰かではなく、最も近くにいます。隣地・近隣の方は、その物件を相対ではなく絶対で捉える稀有な存在です。ゆえに価格を引き上げる源泉は足元にあり、営業はまずそこに集中すべきです。

不動産売買仲介の営業担当者が売主様へ査定訪問のアポイントを取ろうとする際、次のようなトークを展開することがあります。

「実際のお家の中を拝見した方が、ちゃんとした正確な価格が出せますので、お伺いさせていただけませんか」

私はこのようなトークはあまりお勧めしていません。

なぜお勧めしていないかと言いますと、売主様は「ちゃんとした正確な価格」などを、知りたいとは思っていらっしゃらないからです。

では、売主様は何を知りたがっておられるのでしょうか。それは、「相場がどうであれ、そんなことは関係ない。自分の不動産がどれだけ高く売れるのか、そして、どうすれば高く売れるのかを知りたい」であると私、株式会社レコの梶本幸治は思っています。

つまり、「ご所有不動産を高く売る」ことを売主様に提案できるか否かが、仕入れ営業の重要なポイントです。

しかし、不動産を高く売るとはどういうことでしょうか。

根拠もなく「ご所有不動産を高く売る」と売主様に約束し、何も特別なことをしないで、後日「やっぱり無理でした。売り出し価格を見直してください」などと言う営業担当者も沢山いますが、このように職業倫理を欠いた対応は論外です。

では、「ご所有不動産を高く売る」とはどうすることなのか、その方法を考えてみましょう。

高く売るとは、換言すれば「高く買ってくださる買主様を見つけること」に他なりません。

では、高く買ってくださる方とは、どこにいらっしゃると思いますか。

この質問に即答できた方は、不動産販売マーケティングの一番大切な部分をよくご理解されているのでしょうね。

そうです。その不動産を高値で買ってくださる可能性が高い方は、「物件の隣の方」です。

昔から不動産に関する金言として「隣の土地は倍出しても買え」や「隣の家は借金しても買え」というものがありますが、隣の不動産を所有しておられる方にとって、隣地というものは絶対的な存在であり、高く買うだけの理由があるのです。

この絶対的な存在から、だんだんと相対的な物件になるにつれ、高く買ってくださる可能性は低くなります。

では、ある物件が売りに出た場合の、高く買ってくださる方のランキングを以下の通り示します。

1位:両隣

2位:向こう三軒

3位:同じブロック内

4位:同じ町内

5位:同じ小学校区内

6位:同じ中学校区内

7位:同じ最寄り駅エリア内

8位:同じ市区町村内

9位:同じ都道府県内

10位:同じ地方(東北地方、関東地方、関西地方など)

このランキングの中で「高く買ってくださる可能性がある」と言えるのは、せいぜい4位の同じ小学校区くらいまででしょう。

ここまでは、その物件を絶対的な存在(特別視)として見てくれる可能性がありますが、同じ中学校区内になると、相対的な存在(その他大勢の一つ)としか見ていただけません。最後の同じ地方に至っては、もはや意味不明です。来店されたお客様が「九州地方で家を探しているのですが、何かいい物件はありませんか?」などと聞いてこられることはありませんし、仮に聞いてこられたとしても、相手にしませんよね。

そうなんです。「ご所有不動産を高く売る」とは、物件近隣に対する販売活動を徹底することにあります。

住居侵入罪に問われない範囲で、近隣の方に物件が売りに出た旨を伝えたり、近隣に初広告のチラシを配布したり、このような足で稼ぐ販売手法を徹底すれば、高値で買ってくださる方が現れるかもしれません。

不動産の販売活動といえば、SUUMOさん、LIFULL HOME’Sさん、at homeさんなど、ポータルサイトへの掲載のみだと思っておられる営業担当者が増えてきましたが、物件近隣に対する働きかけは、不動産販売営業の基本です。この販売手法には新しいも古いもありません。どの時代でも必ず行うべき販売手法です。

売主様に「ご所有不動産を高く売る」と約束した時に、営業がすべきことは、まず近隣に対する販売活動だと私は考えています。

「高く売る」と約束した瞬間から、営業の仕事は始まっています。

まずやるべきは、近隣です。それ以外は、後でいいのではないでしょうか。

梶本理論10

近隣起点不動産販売の原則

近隣起点販売とは、不動産を高く売却するために、物件周辺の需要層へ優先的かつ集中的に働きかける営業思想である。売主が求めるのは価格の正確性ではなく価値最大化の実現であり、その鍵は相対市場ではなく絶対価値を見出す近隣にある。ポータル掲載は補助に過ぎず、両隣・向こう三軒などへの直接的接触を起点とすることで、購買意欲と価格の上振れを引き出す戦略体系である。

梶本幸治

執筆・編集

株式会社レコ 不動産業専門コンサルタント 梶本幸治

本稿は、株式会社レコ 梶本幸治が不動産売買仲介の仕入れ営業・販売戦略などについて独自の思想と実務経験に基づき執筆した著作です。

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私が梶本です!

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成果につながる仕組みづくり

私は不動産業界一筋に30年近く携わってきました。大手仲介会社で現場経験を積み、その後コンサルティング会社を設立。これまで全国の不動産会社に対して、集客や仕入れ、営業力強化、人材育成の支援を行ってきました。現場で培った実践知をもとに、「理論より実践、成果につながる仕組みづくり」を大切にしながら、不動産会社の成長を全力でサポートしています。

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