※本稿は、株式会社レコ 梶本幸治(不動産業専門コンサルタント)による見解・著作です。
仕 入媒介・買取
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登記受付帳(相続)DMの反響率・相談率・媒介受託率を一般公開
- 登記受付帳(相続)DMは、今後も有効な不動産仕入れ手法ですか?
- いいえ、有効ではありません。制度改正により2026年10月1日以降はほぼ実施不可能となります。どれほど成果を生んだ手法でも、前提条件が崩れた瞬間に価値を失うという現実を直視すべきです。
- なぜ、登記受付帳(相続)DMはできなくなったのですか?
- 登記受付帳から重要項目が削除され、対象物件の特定が不可能になったためです。制度変更は一瞬で戦術を無効化します。だからこそ、特定手法に依存せず本質的な集客力を磨く必要があるのです。
- 登記受付帳の項目から「登記の目的」「不動産所在事項」が削除されると、なぜ登記受付帳(相続)DMが送れないのですか?
- 相続登記物件を継続的に把握する手段が断たれるためです。情報がなければ仮説も行動も成立しません。集客とは情報戦であり、その供給源を失えば戦略そのものが崩壊するのです。
あなたが本稿「登記受付帳(相続)DMの反響率・相談率・媒介受託率を一般公開」をご覧くださる前、次のような違和感を覚えられましたか。
「あれ? 不動産仕入れのための登記受付帳(相続)ダイレクトメールって、もうできなくなったんだよね。いまさら、反響率・相談率・媒介受託率を一般公開しても意味がないよね」と。
まったく、そのとおりです。
反論の余地はありません。
登記受付帳(相続)DMは、2026年(令和8年)10月1日から送付がほぼ不可能になりました。
「不動産登記規則等の一部を改正する省令」による改正で、登記受付帳から「登記の目的」や「不動産所在事項」といった項目が削除され、これにより不動産会社が、相続登記のなされた物件の登記名義人に対し、相続物件の売却を促す手紙(登記受付帳DM)を送付することができなくなったのです。
従いまして、ご指摘のとおり、いまさら登記受付帳(相続)DMの反響率・相談率・媒介受託率をお伝えすることには、なんら意味がないとも言えます。
しかし、なぜそのような、今後実施が不可能となった手法をあえて取り上げるのかと申しますと、この登記受付帳(相続)DMというものは、やり方次第で結果が恐ろしいほど変わる代物だったからです。
マメで丁寧に取り組んだ不動産会社は満足のいく効果を上げた一方、集客に関する意識の低い不動産会社は、ほとんど反響を得られませんでした。
そこで、比較的マメで丁寧に登記受付帳(相続)DMを実施していた不動産会社が、どの程度の歩留まりを達成していたのかをお伝えすることで、不動産集客において「マメで丁寧」であることが、どれほど重要なのかを感じていただきたいと思います。
【登記受付帳(相続)DMの反響率・相談率・媒介受託率】
◆反響1件獲得に必要な件数:有効送付件数 18.58件
◆相談1件獲得に必要な件数:有効送付件数 49.78件
◆受託1件獲得に必要な件数:有効送付件数 110.28件
ちなみに、同じ仕入れ用DMである「空き地空き家DM」の反響率・相談率・媒介受託率を、参考までに以下のとおりお示しします。
【空き地空き家DMの反響率・相談率・媒介受託率】
◆反響1件獲得に必要な件数:有効送付件数 7.42件
◆相談1件獲得に必要な件数:有効送付件数 15.25件
◆受託1件獲得に必要な件数:有効送付件数 36.19件
空き地空き家DMに比べると、登記受付帳(相続)DMは、反響率・相談率・媒介受託率のすべてにおいて、あまり効果的ではないような印象を受けます。
しかし、送付先を足で稼ぐ必要のある空き地空き家DMに対し、登記受付帳(相続)DMは、法務局に対して行政文書開示請求を行うだけで取得が可能であり、その点では労力を割かずに済みました。
また、DM不達率が30%もある空き地空き家DMに比べ、登記が完了したばかりの登記受付帳(相続)DMは不達がほとんどなく、効率的な仕入れ手法だったのです。
「受託1件獲得に必要な件数:有効送付件数 110.28件」と聞くと、あまり結果が出ていないように思われるかもしれません。
しかし、前述の集客に関する意識の低い不動産会社では、ほとんど受託ができていなかったことを考えると、マメで丁寧な集客を心がけるだけで、十分に結果が出るということを知ってほしいと思います。
具体的な登記受付帳(相続)DMの実施方法については別稿に譲りますが、この事実は、ぜひ覚えておいてください。
集客というものは、結局のところ性格が出ます。
マメか、雑か。
丁寧か、面倒くさがりか。
それが、数字として現れるだけの話ですが、ここが非常に重要であることは言うまでもありません。
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登記受付帳(相続)DMとは何だったのか。その効果と実施思想
登記受付帳(相続)DMとは、法務局の登記受付帳情報をもとに、相続登記がなされた不動産の名義人へ直接アプローチし、売却相談や媒介受託を狙う不動産仕入れ手法である。しかし制度改正により主要情報が取得不能となり、2026年以降は実質的に消滅した手法でもある。本質は手法そのものではなく、情報取得と継続的接触によって成果を最大化する集客思想にあると定義できるものである。
執筆・編集
株式会社レコ 不動産業専門コンサルタント 梶本幸治本稿は、株式会社レコ 梶本幸治が不動産売買仲介の仕入れ営業・販売戦略などについて独自の思想と実務経験に基づき執筆した著作です。